ブエノスアイレスには本当にカフェがいっぱいある。
どこも素敵でいつでもたくさんの人で賑わっている。
月に二度くらい、のんびり会話をしながら夫と行きつけのカフェでお茶を飲むのが私の夢である。
今は、カッツカツの生活をしているのでそんな余裕はないのであった。
さて、この度そのカフェに行く機会があった。
レコレータ墓地前にあるLa Bielaラビエラという老舗のカフェ。
なかなか味のある歴史を感じるカフェであった。
外見はあまり重厚感はないので見逃しがちかもしれない。
入り口の上にあるビールを持ったコンドルと地球儀のオブジェが目を引く。
中に入るとまず目に入るのが、この銅像の座ったテーブルである。
アルゼンチンの有名な文豪、ホルヘ・ルイス・ボルヘスとアドルフォ・ビオイ=カサーレスである。
銅像があるとは知らずに入ったので、これにはかなりビビッた。
1850年創業のこのカフェは、これまでたくさんの著名人に愛されており彼らもそのうちの1人であるらしい。
その昔、このあたりでカーレースが開催されていたため、店内にはたくさんのレーシングカーの写真や車の部品がが飾られている。
トロフィーもたくさんあった。
店内の説明はこのくらいにしてさて、コーヒーを飲むとしよう。
カフェコンレチェ(カフェオレ)とトスターダ(トースト)のセットとカフェドブレ(エスプレッソ大)を注文した。
なんとカマレロ(ウェイターさん)がテーブルでカップにコーヒーとレチェ(ミルク)を注いでくれるのである。
何度かカフェに行ったことはあるが、これは初めての体験であり、ちょっと嬉しかった。
さすが老舗カフェである。
トーストにはクリームチーズとduraznosドゥラスノ(桃)のジャムが付いてきた。
2人で食べておやつにちょうどいい量であった。
チョコレートがひとかけ付いてくるのも初めてであったが嬉しかった。
あとで小腹がすいたら食べようと思う。
外に席もあったが、店内の窓ぎわの席にすわり、外の景色を眺めながらのんびりおしゃべりをしながら飲むカフェコンレチェは美味しかった。
たまたま店内の席にすわったが、なんとこの店は外の席だと割増料金となるらしい。
こんなシステムの店も初めて見たが、なるほど店内は広い上に、外に料理を運ぶのはなかなか大変そうなので納得である。
外にある大きな木は有名なゴムの木である。
アルゼンチン最古のゴムの木であり、あまりに大きすぎてたくさんの支柱で支えられている。
その歴史あるゴムの気の木陰で飲むコーヒーは格別そうである。
もう少し、生活に余裕ができればそんな楽しみも味わってみたいものである。
今日はただ、窓から見えるこの景色で十分であった。